自律ロボット掃除機は日々何百万もの世帯で使用されています。 最新世代の製品は、ごみを吸引する前に水を噴霧して床を掃除する機能などのスマートな機能を備えています。 こうした先進的機能には、フロア・タイプを認識するなどといった高度の環境認識が必要です。これにより、例えばカーペット敷きの床には水を噴霧しないよう掃除モードを変更できます。 ロボット掃除機にAIを使用することで環境認識能力の向上につながります。
アプローチ
フロア・タイプはその柔らかさに基づいて識別できます。 ロボット掃除機は、カーペットなどの軟質材料を検出した場合、掃除モードを変更してこのタイプの床面への水の使用を避けることができます。
- このプロジェクトでは、ロボット掃除機の正面(床面の4.5cm上、21.5度傾斜)に組み込んだVL53L5 ToF(Time-of-Flight)測距センサからの信号データと8 x 8のマルチゾーン検出を使用しました。
- その後、さまざまなタイプの材料(軟質床 / 硬質床材料を含む)のデータを収集し、ニューラル・ネットワーク(NN)モデルを学習させてから、情報の前処理と後処理によって精度を高めました。
- 最後に、STM32Cube.AIソフトウェア・パッケージを使用してNNモデルをマイクロコントローラに実装しました。
AIアルゴリズムは、標準のプログラミングに比べて精度が高く、特殊なユース・ケースにも容易に適応できます。
センサ
ToF測距センサ(参照:VL53L5CX)
データ
データセット:ToF測距センサからの信号レート(出力:硬質または軟質)
データフォーマット:8 x 8範囲@15Hz
結果
モデル:多層パーセプトロン(MLP)
メモリ・フットプリント:
使用Flashメモリ:68KB(重みデータ)
使用RAM:1.6KB(アクティベーション・バッファ)
精度:50個以上の材料片(約200,000サンプル)で96%
性能(STM32F401 @ 84MHz使用時)
推論時間:7ms
